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3. 自由が丘ヒルズ計画における建築形態の問題

ž自由が丘ヒルズ計画はいわゆる「地下室重層長屋」の形態を敢えて採ることにより、同規模の共同住宅に対して求められる衛生・安全・防災上の観点からの諸法令・条例・規制等の対象とならない問題が指摘されます。

žひとつの建物に多くの戸数の住民を収容する場合には、防災・衛生等を含めた様々な社会上の問題を未然のものとする為に規制やガイドラインが存在する訳です。

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「重層長屋」による問題は多くの報道・識者・業界等で指摘されています。

『東京都内に広がる重層長屋の危険性』 2013年03月04日 NPO法人市民科学研究室http://archives.shiminkagaku.org/archives/2013/03/post-309.html

『東京に長屋が急増?頻発する地域住民とのトラブル、災害時には高い危険も』2014年05月10日 ビジネスジャーナル

http://biz-journal.jp/2014/05/post_4827.html

『長屋と共同住宅の規制の違いが地域環境に与える影響』政策研究大学院大学

http://www3.grips.ac.jp/~up/pdf/paper2014/MJU14609takada_abst.pdf

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更に計画地は災害時の避難経路としても救助・救援車輌通行においても所謂、隘路(ボトルネック)箇所が存在する特殊な地形です。

ž迫りくる首都直下型や南海トラフ大地震に対する都の防災対策の最大課題の一つに密集住宅地やその結果の二次災害である延焼被害があります。

žそれらの取り組みに逆行するような建築プラン=「危険な建て詰まり」状態、を回避する義務を建築主は認識しなければなりません。

ž従って地形の特殊性からも通常想定される以上の防災・安全といった環境配慮を要するものと考えますが、それらの配慮を「地下室重層長屋」形態という法の未整備に頼り「売値に直接乗せられるであろう間取りの広さ」を確保することをもし優先しているのだとすれば…

安全、防災、環境… 充分な配慮は「人の命の問題そのための努力は企業に求められる責任

これらは

「建蔽率・容積率を私道分・接道用崖下買収地分までギリギリ使い」

「避難路なんかも規制等で求められるギリギリ基準を満たすだけで」

「求める『経済的な目標額』を達成すること」 

よりも劣後することなのでしょうか?

…最近の様々な企業不祥事(マンション・自動車etc.)を思い出します

​例えば災害時にはどのようなことになるのでしょうか?

自由が丘ヒルズの防災上の懸念

自由が丘ヒルズ計画の問題は住むことになる方々の「防災・安全」問題に止まらず、隣接住民を含めた地域全体の問題となることに大きな懸念を有しています。

ž狭隘な接道による防災対応の問題をはじめ、この計画地のような路地上敷地であり民家に囲まれている状況、且つ十分な接道や現計画上では敷地内避難路をも確保出来ていない土地や計画については東京都条例でも「共同住宅」は建築が禁じられています。

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žそれにも関わらず、敢えて共用部の設置を行わないことによる長屋形態開発を行い、防災関連のみならず窓先空地の確保・グリーン環境配慮等の対応を免れるとともに、近隣地域における所謂「建て詰まり」を招来する懸念については、地域の居住環境を徒に悪化させるとともに、本計画が契機となり同様な「土地の本来の想定された利用形態にそぐわない」「無理な」開発が認められれば、これは「実績」として当地区のみならず、多くの住宅地でさらに今後加速させかねない懸念を有しています。

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